日本版ISA(NISA)の注意点(1)金融機関選び・口座開設

このエントリーをはてなブックマークに追加
はてなブックマーク - 日本版ISA(NISA)の注意点(1)金融機関選び・口座開設
Share on Facebook



 来年(2014年)から、日本版ISA(通称NISA)が始まりますが、多くの金融機関がすでに口座開設の申込を開始しています。
 早期の口座開設申込で、現金のプレゼントや定期預金を特別金利にするなど、キャンペーンを行っている金融機関もあります。

 現行の制度では、今年口座を開くと4年間は金融機関を変えられないことから、早くも顧客の獲得競争が繰り広げられているというわけです。

 ISAのことはもう十分知っているという人は、キャンペーンを利用してお得に口座を開設するのもひとつの方法です。

 ただ、現段階では、まだ対象商品を検討している金融機関もあります。金融機関選びに迷っている人は、全社のおおよその対応状況が出揃ってから選んだほがよいでしょう。

 また、日本版ISAの制度は概要だけ見ると単純そうですが、実はわかりにくく複雑で、これを知らないと実はうまく活用できない、という細かい点が多く見受けられます。金融機関選びにおいても、これらの細かい点を知っているかどうかは大きく影響してきます。

 しかも、制度の開始はまだ先ですので、よく理解してからでも遅くはありません。

 そこで、あまり知られていない細かい注意点をまとめてみました。第1回目の今回は、金融機関選び・口座開設に関する注意点です。

 概要については、下表をご覧いただくのが早いでしょう。といっても、この概要表の中にも少しだけ「概要ではない」ものも入っていますので参考にしてください。


■注意点【その1】
 →1月から投資をしたい場合、口座の申込は11月末くらいがメド

 口座開設という手続き上の注意点をまず上げておきます。

 現在、銀行や証券会社などでISA口座の受付を行っていますが、金融機関が実際に手続きを開始するのは10月からです。

 金融機関は顧客から提出してもらった住民票を税務署に確認してもらうのですが、これが10月から始まります。この確認作業は二重の口座を開設を防ぐためのものです。

 この確認の手順を踏まないといけませんので、口座開設にはおおよそ1ヶ月くらいの時間がかかるといわれています。

 冒頭で「慌てて口座開設をしないように」とは言いましたが、来年1月の制度開始時には投資をしたいという人は、少し余裕を持って申込を行ったほうがよいかもしれません。

 したがって、金融機関の対応商品が出揃うのを待ちつつも、申込は11月末をメドとしておくのがよいでしょう。

■注意点【その2】
 →口座はいつでも開設できる

 前項の注意点【その1】は、1/1から投資をしたい人向けの注意ですが、口座を開いていない人であれば口座開設の受付はいつでも行っています。前年の10月からその年の9月末までが申込期間です。たとえば、2015年の口座なら2014年10月~2015年9月です。

 仮に、今あまりISAに興味がなく、すぐに口座を開かなくても、来年の9月までに開けば、「2014年のISA口座での投資」は可能ということです。
 2014年9月末までに口座を開設すると、2014年の12月まではその年の分としてISA口座での取引ができます。9月末開設ですと、残り3ヶ月しかありませんが。
 逆に10月に入ってしまうと、それは2015年用の口座を開くことになるので、ISA口座での投資が可能になるのは2015年1月からになります。

■注意点【その3】
 →現行の制度では、今年口座開設をすると2017年末までは金融機関を変更できないが、2015年には早くも改正?

 「一度口座開設をしたら4年間は金融機関の変更ができない」という点はISA制度の中でも最も不便な点の一つでしょう。他の金融機関に買いたい商品があっても、変更できないわけですから。

 しかし、2015年1月から「年に1回の変更可」と改正する方向に進んでいるようです。もしこの改正案が通れば、4年間の縛りはなくなるので、今年開いた金融機関の取り扱い商品が少なかったとしても来年は変更できるかもしれません。

 変更ができることがわかってから口座を開きたい人は、法改正のスケジュールからすると、来年の2~3月以降が目安となるでしょう。

 法改正のスケジュールは、おおよそ次のようになっていますので、気になる人は金融庁のホームページなどでチェックしておきましょう。

 1) 8月~9月:金融庁の税制改正要望
 2) 12月中旬:税制改正大綱まとめ
 3) 1月:閣議決定
 4) 2月:国会提出

 まずは、8月~9月の金融庁の税制改正要望の中に入っているかが重要ですね。そして、「1年に1回変更」といっても、毎年違う金融機関に口座開設できるということなのか、年の途中で口座を移管できるということなのかはっきりしていませんので、その点を確認しておきたいですね。

■注意点【その4】
 →金融機関選びのポイントは、品揃え。口座開設前に対象商品の確認を。

 ISA口座の概要を見てわかりにくのが、対象商品ではないかと思います。

 制度上は、金融機関を通じて購入した上場株式(ETFやJ-REIT、ETN、外国市場に上場している株式も含む)、公募株式投資信託(外国籍投信も含む)です。この他にも細かくは色々含まれるようですが、だいたいこれを押さえておけばよいでしょう。

 そして、今は株式関連の商品のみですが、2016年1月以降は、債券や債券型投資信託も加わるかもしれません。この点も現在改正の方向に進んでいます。

 さて、対象商品を見ると、ISA口座を開くことができる金融機関は証券会社と、「投資信託を扱う」銀行・信用金庫などになります。

 銀行はISAの対象となる商品のうち投資信託しか扱っていませんから、株式も扱っている証券会社のほうが投資の幅は広がります。

 ただし、制度上対象となる商品を扱っていても、それを自社のISA口座の対象とするかどうかは各金融機関が独自に決めることができます。例えば外国株を扱っていても、ISAの対象商品にはしない、という証券会社もあります(この点は、特定口座も同様ですので、慣れている方もいるかもしれませんが)。

 ということで、取り扱い商品が豊富な証券会社であっても、ISAの対象商品はどれか、よく確認する必要があります。現在検討中の証券会社もあるので、冒頭で述べたように、決まるまで待ったほうがよいですね。

 投資信託についても確認すべきことがあります。口座を開く前に(開いてからでもよいですが)確認しておきたいのが、
 ・取り扱い投信すべてが対象か
 ・分配金を再投資をするコースと受け取るコースとで対象・対象外の区別はあるか
 という点です。

 まず、取り扱う投信をISAの対象・対象外に分けることはないと思われますが、可能性はゼロではないので、念のため確認しましょう。
 次に、分配金の受け取り方法(再投資コースが分配金受取コースか)で対応を変える金融機関はあるようですので、こちらは確認したほうがよいでしょう。
 これは、分配金を受け取って自分で新たに再投資をするのか、その手間を省くかの違いでしかありませんが、ISAで再投資コースにすると理屈としてはその分の枠を自動的に使ってしまうことになりますから、ISAをうまく活用するためには知っておきたい点です。

 さて、この投資信託については、ISAを活用する際において注意点が多いので、次回詳しく説明したいと思います。

→次回:実はISAで債券投信も買える?

 

関連記事:

  1. 日本版ISA(NISA)の注意点(2)実は債券投信も買える?
  2. 日本版ISA(NISA)の注意点(3)投資信託の分配金
  3. 日本版ISA(NISA)の注意点(4)投資信託選び
  4. 日本版ISA(NISA)、信用金庫の対応
  5. 日本版ISA(NISA)、毎年別の金融機関で口座開設ができる?